2010年11月23日

CARE WAVE

妙に空気の澄んだ秋の休日。
とてもいいものを観た。


CARE-WAVE AID
〜思いやりの波〜


振付家鎌田眞由美さんの思いのもと
ミュージカルのアーティストが
ボランティアで集まり、
世界の現状を伝える
ミュージカルを上演、
その収益金を、
様々な問題解決に実地で取り組む
NPO団体に届ける、という活動。

次回公演の実現に向けた
広報・資金集め活動として、
ダイジェスト版を公演するという
イベントに誘われて行ってきた。


「選ばれた大地アフリカ」


ミュージカルというフィクションの時空で、
飢餓、民兵による殺戮や強姦といった
生々しいリアリティが演じられることに
慣れなくてびっくりしてしまったり、
ストレートにLove & Peaceで、
ちょっと照れてしまうところもあったけど。


ミュージカルアーティストが、
自分のギフトや、
それまで長い間かけて鍛錬してきたスキルを
通常の舞台のためだけではなく、
もっと広い世界のために使う。

しかもそれを通じて、
彼ら自身も新しい表現の可能性を
楽しんでいる。
世界につながっている。

キャストはみな本当にいい顔をしていた。
それをみているだけで泣きそうになった。

すごく正しいギフトとスキルの
使い方だと思った。


自分はそんなふうに
きちんと使えているかしら...


彼らの体による表現を
間近で受け止めて、
びりびりする胸をおさえながら、
そんな自問自答をする。


うーん。全然だめだ。

ということで、
まずすぐにできることから、と、
とりあえず会員になっておいた。
次の公演、実現するといいな。
大きな舞台で完全版をみてみたい。


木戸さん、
ご案内ありがとうございました!
posted by まゆか at 21:47| Comment(1) | 観賞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月19日

つけ

大学時代。
経済学部でありながら
会計と名のつく授業は
ことごとくすっとばした。

コンサルタント時代。
いかにも数字が弱そうな顔をしていたから、
「売上-費用=利益」
以上のことが求められるプロジェクトに
配属されることはなかった。

だから自ら会計を勉強しようとはせず、
「貸借」を「ちんしゃく」と
大真面目に読んでいたぐらいの、
おばかっぷりであった。

今の仕事も
同僚が金融出身ということもあり、
私は金融以外の分野担当、という
妙な安心をしていた。


それが。
2週間前。

急遽、2003年りそな国有化のことを
中心にすえた、
「繰延税金資産」とやらの
ケースを書くことになった。
しかも1週間ぐらいで。


...あのう、繰延税金資産って、
何ですか???


手当たり次第に
いろいろ読んでみるものの、
そもそもの会計の基礎が、
自分の中にないから、
何を読んでも
砂漠に水をまくかのように
すーっと消えてしまって、
うまく頭に蓄積していかない。

とりあえず何か書こうと思っても、
蓄積がないので、
言葉がまったく出てこない。

人に聞きたくても
何を聞いていいかすらわからない。


それでも、さらに何度も読んで、
おぼろげながら輪郭をつかむ。

つかんだら、
人と話したり聞いたりして、
またちょっとだけ
輪郭がくっきりする。

そこでもう一度
本や論文を読み直してみる。

すると、
何と何が交差しているのか、
ぐちゃぐちゃの結び目が
少しずつほどけてくる。

何がわからなくて
何がわかっているのかが
わかってくる。

だからまた人に聞ける。
論文で確認できる。


というのを繰り返して、
何とか期限内に完成。


会計から逃げ続けてきた
人生のつけが一気にまわってきた。
まじで、しんどかった。
こういうのを自業自得、という。


でも一方で、この短期間で、
いろんな人に助けられて、
ものすごい量のことを学んだ。

バーゼル自己資本規制の流れ、
日本の会計制度の国際化、
90年代後半以降の
日本の金融システム・行政の激動、
税効果会計のこと、などなど。

実は日本にはものすごく銀行が
たくさんあったこととか、
不良債権&貸し渋り問題とか、
いまやすっかり忘れていたことも、
改めて思い出した。
たった10年前の話だ。
The world has changed, indeed.


今回の結論。

本当はやったほうがいいと
なんとなく思っていながら、
好きじゃないから、
先延ばししていることって、
結局いつかはやってくる、ということ。

先送りした分だけ、
どどーんと、重く。
いやおうなく。

で、やってみると、
それまでは見えなかった世界が
見えてきて、
やってみてよかったと思う、
ということ。


世の中、よくできてるね。
posted by まゆか at 21:36| Comment(0) | 企業・経営・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月15日

切実

今の私にとっては
天啓のような言葉を聞いた。


「あるところまで行くと
好きとかそういうレベルを超えて
もっと切実なものになる。」

そう、そうなんだよ。


その人がその人生で
本気で向かい合うべき
人なり物事なりに出会った時。

いや、本気で取り組むことが
すでに決まっていることに対し、
本気で取り組むことを決めた時、
というほうが、たぶん実情に近い。


そうすると
今までの考え方とか、
心のタフさとか、
体力とかでは、
笑っちゃうぐらい
キャパオーバーになる。

心も体も頭も
丸ごと鍛えなおさないと
とても太刀打ちできない。
最初はノックアウトだ。


少しずつ鍛錬して
キャパを広げて
自分がやるべきことを
やれるような自分になっていく。

そのプロセスは
とてもしんどくて、
でもやることは
決まっているから
やるしかなくて。


「これをやるのが好き!」
「好きだから一緒にいます!」

とかそんな感じじゃない。

「幸せ」とか
そんなことは
もはやどうでもいい。


だって、切実だから。
生きること、
そのものだから。


切実さをも、
呼吸のように、
人生の一部にできた時、
新しい何かが生まれる。
本当の自由が始まる。
posted by まゆか at 19:57| Comment(0) | 働き方や考え方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月21日

入門

s-P1020343.jpg

昨日お花の師範試験があった。


3時間30分で
大きな作品と小品を生ける。

そうしたければできたけど、
あえて花材を前もって選んで
それで事前に練習することはせず、
開始10分前に生ける花を決めた。


まっさらな心で、
お花に向かい合う。

一つ一つの花がもつ流れ、
その組み合わせから、
自然と見えてくる
「ここ」という位置に花をおき、
より大きな流れを作る。


その瞬間の「私」にしか
生けられない花だけれど、
でもそこに「私」はいない。
あるのは花が創りだす、
新しい世界。


試験中、花を生けながら、
花との一期一会を、
心からいとおしみ楽しんでいる
自分を発見した。

ただただ歩き、
そして深めていく、
お花の道。華道。
そこには終わりも目的もない。

その道のはじまりに、
ようやくしっかりと
立てた気がした。


脱走したり、
隠れたり、
寄り道したりして、
普通の人の何倍も
時間がかかってしまったけど。

無事、師範になりました。
posted by まゆか at 22:54| Comment(5) | お花 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月14日

ノーベル平和賞

ノーベル平和賞って、
平和に貢献「した」人に
あげる賞だと思ってたけど。

この2年ぐらいで、
その人がどうかということより、
賞をあげることがもたらす
社会へのインパクトの大きさを
重視するようになっている気がする。


去年はオバマさん。
確かに核のない世界を唄った、
プラハのスピーチは
勇気ある美しいものだったけど、
それだけで受賞に値するかは、疑問だ。

それよりも、
「賞をあげるんだから、
これからも本気で、
核削減に取り組みなさいよ」
というオバマさんへの
プレッシャーと激励に見えた。


今回の劉さん。
個人としても、すごい実績が
あったのかもしれないけど、
(正直よく知らない)
中国政府に現在投獄されている、
という事実こそが、
最大の授賞理由、に違いない。

これは劉さんへというよりは
彼が対峙する中国への
明確なメッセージだ。

「世界は、
劉さんたちのほうに
ついています。」


より未来志向に。
より能動的に。

「賞」自体が力を持って
一人で歩き始めている。


それが世界にとって
いいことになるのかは
ずっと先になってみないと
わからない。

でもそうやって、
何かが変わることで、確実に、
明日の世界の形も変わる。
posted by まゆか at 18:13| Comment(0) | 国際問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月07日

生物多様性

生物多様性。

私の中では、
とても美しい言葉として
記憶されている。


熱帯雨林の研究に人生をささげた
日本人の研究者がいた。

歩けども歩けども、
行くたびに新しい種がわんさか
「発見」される熱帯雨林の中で、
進化は多様性がある閾値を超える時に
生まれるんだ、ということを
身を持って体感する。

だから多様性の宝庫である、
熱帯雨林の保全は
あらゆる種の未来のために、
とても大切なんだ、ということで、
「生物多様性」の重要性を
熱心に説いていたそうだ。

1997年、熱帯雨林に向かう
彼の乗った飛行機が墜落。
帰らぬ人となった。


この度の国際会議で、
ああ、ようやく、
世界は動きだすんだな、と思った。

とはいえ、
焼き畑農業で生計を立てる
人々を抱える途上国と、
森林を保全したい先進国の対立、とかは
当然あるんだろうなあ、
と予想していた。


もっとすごかった。


現在の最大の議論ポイントは、
ある国原生の草や生物から取り出した
成分を使って企業が
薬やら何やらを作った場合は
特許と同じようにその国に
ライセンスフィーを払うかどうか、
払うとすればどういった仕組みが必要か、
といったことに集中しているそうだ。

確かに、巨大製薬企業が
世界中をどしどし「開拓」して
そこで発見した種を用いて薬を作り
自分だけ荒稼ぎをするという構図は、
あまり美しい印象はないし、
何らかの規制なりなんなりが
必要なのかもしれないけど。


でも、それが「生物多様性」の
最大の議論って、
なんかヘンじゃない?

いかに森林を守れるか、
海を守れるか、
そのために現実の生活とは
どう折り合いをつけるか、
そういうことを話しあうんじゃないの?


「生物の多様性をいかに維持するか」
という議論が、いつのまにか、
「多様な生物をいかに使うか」という、
人間が主語の議論にすり替わってる。


しかも「生物」といった時には、
マサイ族の草、とか、
海のプランクトン、とかだけじゃなくて、
病原菌とかウィルスとかも含まれるから、
例えば、野口英世の黄熱病研究が
あのまま続いて薬になったら
病原菌代としてガーナに特許料を払う、
なんてことも起きうる。

いずれHIVウィルスの「原生」をめぐって
いろんな国が争い出すかもしれない。

将来のライセンス収入を狙って、
こっそりと新種の病原菌を
つくってしまうかもしれない。


...



無限の宇宙の中で、
奇跡的に生まれたこの美しい星の上で、
いったい人間は、
何をやっているんだろう。
posted by まゆか at 19:23| Comment(3) | 国際問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月03日

感情と効用

この間まで一週間、
私のオフィスがある
丸の内×三菱地区で使える
丸の内カードが
ポイント5倍のキャンペーンをやってた。

通常は購入金額の1%が
ポイントとしてついて、
たまったらお買い物券に変えられる、
というもの。


ポイント5倍ということは、
要は5%引き、だ。

ポイントの流動性は
現金よりも低い、とか、
使い忘れた、とか、
そんなことを考慮に入れれば、
ポイントより5%引きのほうが
人にとっては
ほんの少し「効用が高い」
ことになる。本当は。

等高線みたいな
効用曲線上にプロットすると、
5%引きが
ちょびっと上位の曲線に属する。
だから経済学の
「人は合理的に行動する」前提では、
5%引きを選択するはず。


一回キャンペーン期間中に
この地区でのディナーがたまたまあって、
それで、ポイントをつけてみたら、
一回500ポイントついた。どどんと。

いつもはランチ8ポイント、
飲み物1ポイント、
みたいな世界だから、
二桁跳ね上がって、
ものすごく強烈である。

しかも支払った後に
ポイントがつくので、
なんかプレゼントを
もらったような気分でもある。


その感覚が嬉しくて、
結局、その週の
丸の内地区での購買金額が
多くなってしまった。


たぶん、だけど、
5%引きキャンペーンをやるより、
この5倍ポイントのほうが
みんな、より消費すると思う。

まんまとはまったのは
私だけかもしれないけど、
見た限り、実際に、
ショップはどこも
人でにぎわっていた。


消費税分差し引きます、
というのと、
500円プレゼント!
というのでは、
後者のほうが、
どうも、楽しい。夢がある。
何を買おうかとか、
広がりが出てくる。

10000円に対する500円と
通常せいぜい10ポイントの世界の
500ポイントは、
体感レベルでのインパクトも違う。


10%引きvs.5倍ポイントでも
人の消費行動を刺激するという点では
後者に軍配があがるかもしれない。



消費も含めた人の行動の
ベースにあるのは、
効用でも合理的判断でもなくて。

なんかうれしい、とか、
わくわくする、とか、
うまく定義も定量化もできないけど
でも確かにそこにある、人の感情。
posted by まゆか at 09:43| Comment(1) | 企業・経営・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月29日

夢の話

センカク問題のせいか、
こんな夢を見た。


どこか大きな会場にいる。
まわりはスーツを着た
日本のおじさまがたくさんいる。

グループに分かれて
それぞれ議論をしましょう、
という企画で、
私はあるグループの
ファシリテーターだったようだ。

議論の間の風景は
ぼんやりしているけど、
議論が終わったあと、
話しかけてきた同じグループの
(現実には知らない)おじさまのせりふは
くっきりと耳に残っている。
まるで夢じゃないみたいに。


「いやあ、うちのグループは
主催者の意図とは違って、
『国益』とかそんな話に
ならなかったですねー」

「だって、『国益』とか言う前に
要は一人一人がどうちゃんと生きるか、
ですもんねー。結局のところ」


こんなおじさまが
たくさんいる「国」に
現実も、住みたいよ。

そして、そうなるように
自分にできることを
していかなくっちゃ、ね。

未来のために。
posted by まゆか at 08:34| Comment(0) | 国際問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月27日

第一印象

営業やジャーナリストの方には
はるか及ばないけど、
これまでそれなりに
いろいろな会社を
訪問している。


建物を入り、受付に行くまでの間に、
「会社のかたち」が、
もやっと、つかめる。

真面目なのか、派手なのか、とか。
ちゃんとしているか、
どことなくゆるんでいるか、とか。
元気か、ちょっと停滞中か、とか。


早く着いて、受付あたりで
ぶらぶら観察していると、
特に本社を訪問した場合は、
社員の心がつながっているか、
ばらばらになりつつあるか、
ぐらいのところまでは
感じ取れることもある。


自分の人に対する第一印象は、
それほど信用してない。
特にいまいちよくなかった場合。

その日たまたま、体調や機嫌が
悪かったのかもしれないし、
こっちのいけてなさが
相手に伝わったがゆえの
反作用かもしれないし。

違う場所で違う時に会ったら、
全然違う印象だったりする。


でも逆に、会社の第一印象は、
あまりずれたことがない気がする。

社員の方とお話しすると、
もちろんぐっと理解は深まるけど、
どちらかというと、
受付で感じた会社のかたちが、
肉付けされて、
言語化されていく、という感じ。

社内をぐるっと歩かせていただくと
さらにぐいぐい伝わってくる。

そこで、いいほうにも悪いほうにも
第一印象を大幅に裏切られる、
ということはほとんどない。


これまでの歴史や、
その時の社員の会社への気持ちが、
否が応でも、社内の空気ににじみ出て、
それは、その日の気分で変わるような
ものでもないから、かな。


この会社の第一印象。
株式投資には、
意外と悪くない
インデックスかもなあ。
posted by まゆか at 22:48| Comment(2) | 企業・経営・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月18日

季節

今年の冬は、
とても寒くて長かった。

ということを、
人に言われて、
思い出した。

そうだった。
つらい寒さを
しのぎながら、日々、
春を待ちわびていた。

そんなこと、
もう、すっかり
忘れてた。


異様に暑くて
ぐったりと疲れた
この夏のことも。

季節が巡れば、
案外あっさりと、
忘れてしまうんだろうな。


Life goes on.
生きるって、結局は
そんなもんだ。
posted by まゆか at 18:32| Comment(0) | 詩のようなもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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