2013年07月15日

広州にて

1年ぶり、広州に出張。

昨年のデモ後の混乱はなんのその、
たくましくかしこく明るく事業を展開する
日本企業の方々からのお話に、
あたたかな気持ちになる。


その気持ちの余韻を味わいつつ、
朝、緑豊かな街をぶらぶらと散策。

大きな公園があったので入ってみる。
辛亥革命のころ、革命を目指して反乱を起こしたものの
清朝に弾圧されて亡くなった人たちのお墓がある公園。
広々としてなかなかに素敵な場所だ。


しかし、まあ。いやはや。

おばちゃんとおばあちゃんとおじいちゃんが
そこかしこで遊んでる。いや、遊びまくっている。

トランプをしていたり、
バトミントンの羽を使ったけまりのようなスポーツをしていたり、
歌ったり、胡弓を弾いたり、
扇や剣を使った太極拳をしたり、
大音量で音楽をかけて寝っころがってたり、
孫のあかちゃんの面倒を見てたり。


そして圧倒的な量のおばさまたちが、
いくつかのグループになって、
やったら踊っている。
マスゲームとフォークダンスと盆踊りを混ぜたようなダンス。
グループによって振り付けと曲が異なり、
それぞれに「私はちょっと踊れるのよ」というひらひらした服を着た
リーダーのような人がいて、指導してる。

そして、全くもって、お互いを気にしていない。
ゆったりと太極拳をしているグループの横で、
社交ダンス(のようなもの)にいそしむ男女が
カルメンの曲で激しく踊りだす。

しかも、このテンションで、まだ朝9時。


これは、病院いらずだね。
はじけるエネルギーに、
巣鴨も、びっくりだ。


ちなみに私は中国の南方に行くと
完全に混じりこんで、
日常風景の一部となるタイプである。
posted by まゆか at 20:30| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月26日

夜風

s-P1020285.jpg

夜風に吹かれながら、
街路樹やビルのてかてかと光る
どぎついイルミネーションに
照らされながら、
徐々に耳に心地よくなってくる
中国語の喧騒を聞く。

どことなく漂う
豚の甘めのベーコンのような
蒸したシュウマイのような
雑多な匂いをかぐ。


突然、いつもと違う五感に
刺激されて、
なんともいえない解放感が
心の底からつきあがってくる。


大きな地球の上に、
誰でもなく、いる、
でも、ここにいる
ちっぽけな自分。


自分で自分を
しばりつけていた紐が、
ばらばらとほどけていく。

まっさらな状態に戻る。
posted by まゆか at 20:59| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月25日

上海雑感・続

外灘地区には、古く美しい
西洋建築がずらっと並んでいる。

上海が列強に占領され、
かなしくも華やかで、
モダンで雑多な文化を育んだ時代の遺産。
これらの建物の上には、
かなり執拗な感じで、
五星紅旗が立てられている。

外灘から川をはさんで向かい側の
浦東の高層ビル群は、
にょきにょきと
ただビルとして立っているだけなのに。


そういえば
中国の内陸部で訪れた
チベット族の村の建物にも、
カラフルなのぼりにまけじと、
一番高いところに、
五星紅旗がはためていたのを思い出す。


twitterやGoogleブログの
「表示できません」もそうだけど、
どっからどうみても、
自由な消費社会を歩いていると思ったら、
突然ひょっこりと国家が顔を出してくる。


ちなみにFacebookも
中国ではブロックされているそうだ。

要は通りの上だろうと電脳上だろうと
人が意見を表明し、
それを多数の人と共有しうる場はご法度、
ということなんだろうな。


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[外灘の五星紅旗]

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[チベット族の村の五星紅旗]
posted by まゆか at 17:55| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月23日

上海雑感

我現在在上海。


上海に来るのは二度目だが、
一度目はかごの鳥で、
ほとんど街を見る機会がなかったので、
実質初めてといってもいい。


地下鉄に乗って、
世博の集客でどこもかしこも
うじゃうじゃと人がいる街を、
焼け付く暑さの中、
ぐるぐるとまわってみる。


なんか、自由だなあ、と思う。
みんな好き勝手にやってる。

まわりに人がいようと何だろうと、
行きたい方向に歩き、
しゃべりたいときに大声でしゃべり、
食べたい時に食べて、
着たい服を着て、
座りたいときに座ってる。

無言でぶつかってこられたり、
車が赤信号の中を走っていると
日本では、むっとしたり、
びっくりしたりするけど、
自分も人を気にするモードを
完全オフできるから、
なんとも思わなくなる。


気にするのは自分の安全と欲望。
それでいい。これは楽だ。


一方で、宿泊先にて、
Googleのブログをみようと思ったら
「Internet Explorerでは
このページは表示できません」
と出た。

ああ、そうか、これがかの有名な
中国政府によるGoogleシャットアウトか。
(Gmailは使えます)

ためしに自分ではやってないが、
twitterをみてみると、
うん、これもまた「表示できません」。
なるほど。

そのページに書かれている
「可能性のある原因」には
いつもどおり、
•インターネットに接続されていない。
•Web サイトに問題が発生している。
•アドレスに入力の間違いがある可能性がある
としか記載されていない。
どれも真実とは違うような...


なんかすごいよなあ、
この自由と不自由のギャップ。


25元(500円)のアイスクリームが売っている
通りから一本入ると、
2元(30円)の冷たいそばが売っていて、
歩く人たちの装いもがらっとかわる。


いろんなステージにある
いろいろなものが、
いろいろなスピードで
雑多なまま同居している。

人々は戸惑うこともなく
引き裂かれる気持ちになることもなく
平気な顔ですべてを吸収する。
そしてどんどん、前へ進む。
posted by まゆか at 17:57| Comment(2) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月10日

ノイジーな絶景

中国に行った。

九寨溝と黄龍。
ともに世界遺産である。

目から入る映像は、ただただ、すごかった。
まさに、絶景、という言葉がふさわしい。
宇宙が地球にいたずらをして、
こんな色や形を作り出したのだろうか。

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[九寨溝の宝石 五彩池]

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[黄龍 五彩池]

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[九寨溝から黄龍へ向かう山道]


しかし、とにかく、
半端なく、うるさかった。


わざわざ飛行機に乗って
やってこれるだけの、
生活に余裕がある国内観光客が、
どっと押し寄せる。

山を登る間も、
ひたすらしゃべっている。

美しい景色を見つけると、
景色を堪能する前に、
「私を撮って!」男女共に、だ。
ゆっくり眺めようとしても、
「そこ、どいて!」と押しのけられる。


確かに10年前までは、
日本人観光客も、
集団で写真を撮りまくって、
世界の各地で顰蹙をかっていた。

それと同じといえば同じだが、
そのころの日本人とは違う、というか、
さらにパワーアップな点がいくつかある。


まずは、デジカメの登場、である。
アナログのカメラの時は、
いくら取りたくてもフィルムの数の限界もあり、
それほどぱしゃぱしゃは取れなかった。
いまや、取る数、無制限。
しかもコンパクト化により、
一グループ一台じゃなくて、一人一台。

一人の取る数が数倍になった上、
カメラの数が増え、
しかももともとの人口が多い。
10年前の日本人観光客の、
ほぼ100倍の迫力になるわけである。

そして、中国語は、発音も、
日本語より明瞭で全身を使って音を出す言語。
よって、一人当たりの発声量が必然大きくなる。

あと、みんな、自分が大好きみたいだ。
丸刈りでちょっと太っていて
(そういえば、観光客はみなぷっくりめだった)
ポロシャツをズボンにイン!みたいな男性も、
「太陽の季節」みたいなポーズを決めてる。
もちろん、満面の笑みを浮かべて。
おずおずと棒のようにたって
無表情で写真におさまる日本人とはだいぶ違う。
一人っ子政策のせいだろうか。


空気に満ちる「我、我、我!」という声に圧倒され、
半分ぼんやりとしたまま、山を歩いた。
目では壮絶に美しい情報を受け取りつつも、
なんだかうまく消化できない。


共産党支配のもと、
何千年にもわたって引き継がれてきた
文化や秩序、暗黙のルールを、
全部徹底的に壊して、
その上で、資本主義の流れにのって、
お金という自由のツールを短期間で手にした
彼らの勢いは、すごい。怒涛だ。
きっとこのままどんどんと、
世界を自分のペースに巻き込んでいくんだろうな。
なんか、アメリカと似ている。


桂林に行ってから帰国。
たった1週間ぶりなのに、
日本の様々なところに見受けられる、
繊細な美意識や気配りに、
改めて感動する。
生ぬるい心地よさに、
ほっとする一方で、息苦しくなる。

やっぱり、
アメリカから帰ってくる時の感覚と
似ていた。
posted by まゆか at 18:31| Comment(2) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月13日

琉球の流れ

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ずいぶん前はここにいた、
そんな強烈な懐かしさ。

外部環境に翻弄され続けた土地に漂う
諦めと切なさ。

気候も文化も本土とは明らかに異なるのに、
日本語圏にあるということの
フシギな、でも嫌じゃない、違和感。

心の細胞がざわざわする。


沖縄。


濃い空気を吸いながら、
パワーの強い太陽の光を浴びていると、
自分の心も体も、
大きな何かの一部となって、
そのままどこかへ流れていくような、
そんな気分になる。


ここには何も留まらない。
はじまり、そして通過する。


[おまけ]
空と海と紅芋モンブラン。
s-P1000258.jpg
posted by まゆか at 23:54| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月09日

バリの神様

うっそうと生い茂る南国の森。
月面のような火山岩の砂浜。
濃い緑のどことなく雑然とした水田。
強く香るジャスミンの花。
ごとりと落ちるやしの実。
色鮮やかな民族衣装。

バリ。

この島にはたくさんの、
いたずら好きな神様がいる。
赤ちゃんがそのまま
図体だけ大きくなったような神々だから、
とにかく注目されたい。気を引きたい。

土地の人はそんな性格をよくわかっている。
いたるところに、神棚ならぬ神「椅子」をおき、
花と果物のお供えを欠かさない。
しょっちゅうお祭りを開く。

はーい、見てますよー
気にかけてますよー
あやし続ける。

だから、ちょっとでも気をそらした日には、
もう大変だ。
誰かをどっか連れていっちゃったり、
山を噴火させちゃったり。
悪気はないが、なにせ力があるもんだから、
あっけらかんと、しっちゃかめっちゃか。

人々があわててまたあやすと、
満足しておとなしくなる。

しちめんどくさいけど、あったかい。
頭にくるけど、心はうるおう。
人と神の共生。
posted by まゆか at 19:47| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月26日

ハネダ

羽田国際線ターミナル。

フシギな空間だった。

第一ターミナルと第二ターミナルの間。

日本でも韓国でも中国でもない。
3つの言語が聞こえるが、
全体として妙な静けさを保つ、
東アジアの無磁場。

マルコヴィッチの穴の7と1/2階。
ハリーポッターの9と3/4番線。
そんな感覚。

白い雲の中を飛ぶ。
太陽に近づくにつれて、
だんだんとぼんやりと光が満ちてくる。

乗客はまばら。
まるで千と千尋の水の上を走る電車みたい。

そして、そのまま眠りに落ちた。

目覚めたら、初めての上海だ。
posted by まゆか at 20:01| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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