2012年10月15日

ギリシャと日本

実に1年半ぶりのブログー


ジョージタウン大学時代の友人で
ギリシャ出身の子がIMF総会の関連で日本に来た。

彼女から今のギリシャの大変な状況を聞いた。

若者の失業率は50%。
みんな職がない、あったとしても給料は支払われないことが多い。
システムは完全にcorruptしていて、
新しい税金がどんどん課されて、
そのお金は一握りの権力者たちのところに流れ込む。

ほとんどの外資がギリシャのオフィスを閉め、
未来に絶望して大量にエリート層が外に流出しているから
他のヨーロッパ諸国で就活しても
「またギリシャからの履歴書か」という感じで扱われる。

上層部は腐敗してるけど、
普通の役人とか企業の人もすごくまじめで、
給料が出なくても大幅にカットされてでも
やるべきことはやる、という感じで一日12時間働いたりもしてる。
なのにギリシャ人はみんな怠惰だという印象を持たれている。
どうにもやりきれない。

学歴があってもどうせ仕事がない。
だったらお金もないし
子供を大学なんて行かせなくていいんじゃないか、と
教育への投資まで先細りしつつある。

息を呑むほどに美人で頭もすごくよくて
学歴も完璧な英語ネイティブな彼女ですら
どんどん絶望的な気分になってきて、
「もう私は一生まともな仕事なんて得られない」と思っていたそう。
「気道に石をつめられているような」毎日だった、とか。

ある時友人の結婚式でパリに行って、
気分がちょっと晴れて、たまたまそこで紹介された人との縁で、
今はスイスの世界経済フォーラムで働いている。

"Thank God, that I was able to leave the country"
といいながら、本当はとても母国が好きな子だから、
思い出しながら涙を浮かべていた。


こんな完璧な彼女が、もう未来なんてない、という
絶望をするほどの状況って、何なんだろう。

しかもたったの2年で、そうなった。
2年前にロンドンで会ったときは、
ギリシャでの生活が楽しいと言っていたのに。

一度どっかの歯車が狂うと
全体が連動してバランスが崩れて
その崩れたところを利用する人たちが出てきて、
そうすると、これまでのたくさんの人の努力をあざ笑うかのように
積み上げてまわしてきた生態系がまるごと壊れてしまうんだ。


で、その美しい彼女は、
1週間の滞在で日本に完全に恋をした。

「何もかもあるすごい大都市なのに、
清潔で、人が親切で、隅々まで美意識が行き届いていて、
サステイナブルな考え方で、
こんなに外国に行って感動したことない!」

日本に来て、やっぱり人生ってすばらしい、と思えたんだって。
英語の先生だろうと何だって仕事はあるんだから、
怖がることはない、と思えたんだって。
黒い雲が晴れたんだって。


既得権益のしがみつきっぷりはすごいし、
テトラポットとか電線とか超醜いし、
パチンコが30兆円産業だし、
自殺も多いし、同調圧力が強くて息が苦しいけど。

でも、もし彼女にそんな感動を与えられたなら、
それだけでもこの国の出身でよかったなって、心から思えた。
posted by まゆか at 22:08| Comment(3) | TrackBack(0) | 国際問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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