2010年10月21日

入門

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昨日お花の師範試験があった。


3時間30分で
大きな作品と小品を生ける。

そうしたければできたけど、
あえて花材を前もって選んで
それで事前に練習することはせず、
開始10分前に生ける花を決めた。


まっさらな心で、
お花に向かい合う。

一つ一つの花がもつ流れ、
その組み合わせから、
自然と見えてくる
「ここ」という位置に花をおき、
より大きな流れを作る。


その瞬間の「私」にしか
生けられない花だけれど、
でもそこに「私」はいない。
あるのは花が創りだす、
新しい世界。


試験中、花を生けながら、
花との一期一会を、
心からいとおしみ楽しんでいる
自分を発見した。

ただただ歩き、
そして深めていく、
お花の道。華道。
そこには終わりも目的もない。

その道のはじまりに、
ようやくしっかりと
立てた気がした。


脱走したり、
隠れたり、
寄り道したりして、
普通の人の何倍も
時間がかかってしまったけど。

無事、師範になりました。
posted by まゆか at 22:54| Comment(5) | お花 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月14日

ノーベル平和賞

ノーベル平和賞って、
平和に貢献「した」人に
あげる賞だと思ってたけど。

この2年ぐらいで、
その人がどうかということより、
賞をあげることがもたらす
社会へのインパクトの大きさを
重視するようになっている気がする。


去年はオバマさん。
確かに核のない世界を唄った、
プラハのスピーチは
勇気ある美しいものだったけど、
それだけで受賞に値するかは、疑問だ。

それよりも、
「賞をあげるんだから、
これからも本気で、
核削減に取り組みなさいよ」
というオバマさんへの
プレッシャーと激励に見えた。


今回の劉さん。
個人としても、すごい実績が
あったのかもしれないけど、
(正直よく知らない)
中国政府に現在投獄されている、
という事実こそが、
最大の授賞理由、に違いない。

これは劉さんへというよりは
彼が対峙する中国への
明確なメッセージだ。

「世界は、
劉さんたちのほうに
ついています。」


より未来志向に。
より能動的に。

「賞」自体が力を持って
一人で歩き始めている。


それが世界にとって
いいことになるのかは
ずっと先になってみないと
わからない。

でもそうやって、
何かが変わることで、確実に、
明日の世界の形も変わる。
posted by まゆか at 18:13| Comment(0) | 国際問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月07日

生物多様性

生物多様性。

私の中では、
とても美しい言葉として
記憶されている。


熱帯雨林の研究に人生をささげた
日本人の研究者がいた。

歩けども歩けども、
行くたびに新しい種がわんさか
「発見」される熱帯雨林の中で、
進化は多様性がある閾値を超える時に
生まれるんだ、ということを
身を持って体感する。

だから多様性の宝庫である、
熱帯雨林の保全は
あらゆる種の未来のために、
とても大切なんだ、ということで、
「生物多様性」の重要性を
熱心に説いていたそうだ。

1997年、熱帯雨林に向かう
彼の乗った飛行機が墜落。
帰らぬ人となった。


この度の国際会議で、
ああ、ようやく、
世界は動きだすんだな、と思った。

とはいえ、
焼き畑農業で生計を立てる
人々を抱える途上国と、
森林を保全したい先進国の対立、とかは
当然あるんだろうなあ、
と予想していた。


もっとすごかった。


現在の最大の議論ポイントは、
ある国原生の草や生物から取り出した
成分を使って企業が
薬やら何やらを作った場合は
特許と同じようにその国に
ライセンスフィーを払うかどうか、
払うとすればどういった仕組みが必要か、
といったことに集中しているそうだ。

確かに、巨大製薬企業が
世界中をどしどし「開拓」して
そこで発見した種を用いて薬を作り
自分だけ荒稼ぎをするという構図は、
あまり美しい印象はないし、
何らかの規制なりなんなりが
必要なのかもしれないけど。


でも、それが「生物多様性」の
最大の議論って、
なんかヘンじゃない?

いかに森林を守れるか、
海を守れるか、
そのために現実の生活とは
どう折り合いをつけるか、
そういうことを話しあうんじゃないの?


「生物の多様性をいかに維持するか」
という議論が、いつのまにか、
「多様な生物をいかに使うか」という、
人間が主語の議論にすり替わってる。


しかも「生物」といった時には、
マサイ族の草、とか、
海のプランクトン、とかだけじゃなくて、
病原菌とかウィルスとかも含まれるから、
例えば、野口英世の黄熱病研究が
あのまま続いて薬になったら
病原菌代としてガーナに特許料を払う、
なんてことも起きうる。

いずれHIVウィルスの「原生」をめぐって
いろんな国が争い出すかもしれない。

将来のライセンス収入を狙って、
こっそりと新種の病原菌を
つくってしまうかもしれない。


...



無限の宇宙の中で、
奇跡的に生まれたこの美しい星の上で、
いったい人間は、
何をやっているんだろう。
posted by まゆか at 19:23| Comment(3) | 国際問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月03日

感情と効用

この間まで一週間、
私のオフィスがある
丸の内×三菱地区で使える
丸の内カードが
ポイント5倍のキャンペーンをやってた。

通常は購入金額の1%が
ポイントとしてついて、
たまったらお買い物券に変えられる、
というもの。


ポイント5倍ということは、
要は5%引き、だ。

ポイントの流動性は
現金よりも低い、とか、
使い忘れた、とか、
そんなことを考慮に入れれば、
ポイントより5%引きのほうが
人にとっては
ほんの少し「効用が高い」
ことになる。本当は。

等高線みたいな
効用曲線上にプロットすると、
5%引きが
ちょびっと上位の曲線に属する。
だから経済学の
「人は合理的に行動する」前提では、
5%引きを選択するはず。


一回キャンペーン期間中に
この地区でのディナーがたまたまあって、
それで、ポイントをつけてみたら、
一回500ポイントついた。どどんと。

いつもはランチ8ポイント、
飲み物1ポイント、
みたいな世界だから、
二桁跳ね上がって、
ものすごく強烈である。

しかも支払った後に
ポイントがつくので、
なんかプレゼントを
もらったような気分でもある。


その感覚が嬉しくて、
結局、その週の
丸の内地区での購買金額が
多くなってしまった。


たぶん、だけど、
5%引きキャンペーンをやるより、
この5倍ポイントのほうが
みんな、より消費すると思う。

まんまとはまったのは
私だけかもしれないけど、
見た限り、実際に、
ショップはどこも
人でにぎわっていた。


消費税分差し引きます、
というのと、
500円プレゼント!
というのでは、
後者のほうが、
どうも、楽しい。夢がある。
何を買おうかとか、
広がりが出てくる。

10000円に対する500円と
通常せいぜい10ポイントの世界の
500ポイントは、
体感レベルでのインパクトも違う。


10%引きvs.5倍ポイントでも
人の消費行動を刺激するという点では
後者に軍配があがるかもしれない。



消費も含めた人の行動の
ベースにあるのは、
効用でも合理的判断でもなくて。

なんかうれしい、とか、
わくわくする、とか、
うまく定義も定量化もできないけど
でも確かにそこにある、人の感情。
posted by まゆか at 09:43| Comment(1) | 企業・経営・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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